なぜなにハッセル〜照会編〜
およそみなさんが更新をあきらめているだろう当ブログですが、更新するつもりはあったんです。すみません。これからもたまに書きます。
いつもの前置きはこの程度にしておいて、
今日は中判カメラの雄こと、ハッセルについてのお話です。
スウェーデンの国民食ことハッセルバックポテトのことではないです。
さて
フィルムカメラを始めるとそのうち、絶対に気になりだす存在がいくつかあります(断言
ライカ、ローライ、ジナー、リンホフ、
そして今回の主役、HASSELBLAD
とても有名なカメラですが、聞いたことのない方のために、
まずはどんなカメラなのか概略です。
スウェーデンの中判カメラメーカーです。
当初は普通の貿易会社だったそうです。
創業者の子の、アービットさんが新婚旅行中に出会った
ジョージ・イーストマン(かのKodak立ち上げたすごい人。人格者。啓蒙家。いいやつ。天才。)
と仲良くなってKodak製品のスウェーデンにおける輸入代理会社になったらしいです。
そんなこんなの軽いノリで事業が順調に拡大してた頃、
アービットさんの孫のヴィクターさんが、
カメラのことを学んでたドイツから帰還しまして、
大判カメラ全盛の当時に、
「よっしゃ軽くて小さくて、でも航空写真にも使えるような高画質のカメラ作ったるわい!!でも実家とはウマがあわん!!」というような感じのノリで自分の会社を始めました。(その後実家の会社を吸収合併する。強い。)
間違ってたらごめん。
んでいろいろあって1940年代後半頃からの、
長い歴史のなかで、数多の似たようなカメラをたくさん作ってきたメーカーです。
だいたいこんな感じ。↓↓
現代まで続く立派なメーカーですから、当然輝かしい歴史を持ってまして
NASAに正式採用されて月にいって、
「地球の出(Earthrise)」↓
とか
「The Blue Marble」↓
等々、全世界的に有名な風景写真(?)もこのハッセルブラッド社のカメラで撮られたものです。
前述のとおり、数多のカメラを作ってきたハッセルブラッドですが、
最も多くのユーザーに愛されてきたのは、Vシリーズ、その中でも
レンズシャッター内臓レンズ交換式一眼レフである
500Cシリーズでしょう。
500Cシリーズは現代でも愛用者が多いです。
なんで35mm判カメラでは一般的なフォーカルプレーンシャッターではなく、
最高速でも1/500しかだせないレンズシャッター機が人気なのかいうと
これは僕の個人的な見解ですが、
ハッセルフォーカルプレーン機の最高速が1/1000Sの時代があっていうほどレンズシャッターに対してアドバンテージなかったり、最高速が1/2000と高速になってからもなんかやたらと壊れやすかったり、修理費でもう一台カメラ買えたりなど諸々の理由があると思います。
1番の理由は多分500Cシリーズの方がシャッター音が気持ちいいとかそんな理由だと思います。
ちなみに実質的創業者のヴィクターさんはフォーカルプレーン式カメラの方が好きだったらしいです。
レンズシャッター機なので、メインのターゲットはスタジオカメラマンだったのでしょう。(レンズシャッターはストロボに全速同調するためです。)
とまあ
こんな歴史的背景は
色々あるんですが、
ざっくりとした500Cシリーズの特徴については下記のとおりです。
・機械式フルマニュアル6×6判(中判)カメラ
・(基本は)ウエストレベルファインダー
・レンズシャッター
・天下のツァイスレンズ
写りは言わずもがな
そのデザインや造りの良さ、様々な欠点を補って余りある魅力溢れるカメラで、
僕を含めハマってしまう人が多いです。
500Cシリーズは1957から始まり2009年頃の終了に至るまで様々な機種がありますが、装着できるレンズや、シャッタースピード等カメラとしての基本スペックに違いはありません。
なのでこれからハッセルを探す方はわけわからんと思います。
ですのでそんな方々の一助になるべく機種毎のざっくりとした特徴を紹介しまして、今回は終わりたいと思います。
間違ってたらごめんね。
・500C(1957-1970)
レンズ交換式としては初めてツァイスレンズを搭載した記念碑的カメラ。
13年間と超ロングセラーだった。
内面反射防止塗装が焼付塗装で丈夫だけどもまああんまり反射防止できてない。
なので割と逆光に弱かったりします。
基本的にはフォーカシングスクリーンの交換は不可ですが、最後期になると、フォーカシングスクリーンが簡単に交換可能な仕様になります。
・500C/M(1970-1989)
基本的にはフォーカシングスクリーン交換可能な500Cです。
あとポラロイドフィルムを使えるマガジンが付けられるようになりました。
スタジオマン歓喜。
内面反射防止塗装はまだ焼付。綺麗。
最終生産期ごろに「オプトファイバースクリーン」というガラス繊維を束ねて固めて平らにしたという特殊なフォーカシングスクリーンが別売で販売されました。標準スクリーンよりは明るく、それ以降のどのスクリーンよりもピントの山が掴みやすいスクリーンでしたが、高価でデリケートで、またドット抜けのように自然とガラス繊維がない黒点のように見えてしまうところができ、余り気持ちの良いものではなかったです(経験談)
・500CX(1988-1994)
これまでの標準スクリーンが暗かったのが、この機種から日本のミノルタと結託して、アキュートマットスクリーンが標準となりました。明るい。明るすぎる。ピントの山がつかみづらい!かも!
内面反射防止がパルパス材という植毛っぽいふわふわした紙を貼り付ける構造に変わりました。
その効果は絶大で圧倒的に内面反射は軽減されました。
ただ、パルパス材は経年劣化と共にひび割れてしまうものでした。
ひび割れても特に写りに影響はないので、精神衛生上あまりカメラ内部を覗かない方がいいです。
ただしバックシャッターのひび割れは酷くなってくると、塵などがフィルムやデジタルバックに付着しかねないので、もし交換するならバックシャッターを優先でどうぞ。
あ、そうそう、TTL調光ができるようになりました。でも対応ストロボ持ってる人の方が少ないよね、、、
・500Classic(1988-1994)
500C/Mの復刻版という立ち位置のカメラですが、500C/Mと生産時期ラップしてるんだよなぁ。
500C/Mとあまり変わりないですが、内面反射防止がパルパス材になってます。
TTL調光はできません。
501C(1994-1997)
(やっと僕より歳下のカメラ)
500Classicの後継的な位置付けのカメラで、基本的な機能に差はありません。廉価版標準レンズとセット販売のみの販売形態でした。
クロムメッキはなく、ブラックボディのみでした。ダンディ。
TTL調光はもちろんできません。
なおこの機種あたりから職人の手造りというよりかはオートメーションが進んだ造り方にシフトしていったらしいです。
まあこの辺は好みで。
503CXi(1994-1996)
503CXの後継で基本機能は一緒ですが、
巻上クランク部分がそれまでとは異なる構造となり、それまでのノブメーターやクランク等と互換性を廃しました。ざんねん。これは新製品のワインダーを対応させるためなのでした。
なお当時ワインダーは発売されませんでした。
501CM(1997-2005)
501Cの後継というような立ち位置。
TTL機能とワインダーには非対応
それまでのハッセルは望遠レンズとか使ったとかにファインダー視野が少しかげったりケラレたりする「ミラー切れ」という持病をもってたのですが、
ミラーの動作方法を工夫することでこれを解決することができました。(今更感)
標準スクリーンがアキュートマットDという現代的で見やすくピントの山も掴みやすいスクリーンとなりました。
クランクが外せないのでちょっと不安。
・503CW(1996-2009)
503CXiの後継で500Cシリーズの最終進化系です。
とはいえあまり機能的な進化はなく、合理化の流れから標準クランクがよりプラスチッキーになったりなど残念なところが目立つこともあるカメラです。
標準スクリーンはアキュートマットD、ワインダーに対応(ちゃんとワインダーが発売されました。)、ミラー切れ対策もバッチリ。
ミレニアムモデルも発売されました。
僕が買いました。
以上です。
次回は500Cシリーズの基本的な使い方を書こうかな。たぶん。
最後まで読んでいただき
ありがとうね。ではまた。